生命保険会社を選ぶポイントは? 破綻したらどうなるの?

生命保険会社は金融庁の監督の下、免許制で行われる事業です。国内で生命保険事業を行うすべての生命保険会社が「保険契約者保護機構」に参加していますので、万が一生命保険会社が破綻した場合、この保護機構によって、保険契約者の権利が保護されるのはどの会社も同じです。

 実際に破綻した場合は、他の生命保険会社が保険契約を引き受けて存続したり、保護機構が承継会社を発足して契約を存続します。他社が引き受ける場合、契約の条件が全く同じになるか改訂されるかはケースバイケースですが、契約時よりも条件が良くなることはほとんどありません。

保護機構が承継会社に当てる責任準備金は元90%となっており、契約者にとって生命保険会社が破綻することはやはり望ましいことではありません。生命保険会社を選ぶ際、保険の条件ばかりでなく、安定的に存続可能な会社であることは最低条件といえるでしょう。

 インターネット等でも生命保険会社の信頼度については紹介されていますので、募集人の口からその会社の状況を聞くだけではなく、自分自身もある程度情報収集して、その会社の安定性をはかっておきましょう。

外資と日本企業の違いは?

 前述の通り国内で生命保険事業を行える企業は金融庁の許可が必要になりますので、この点については外資、日本企業の違いはありません。しかし商品構成の傾向として、外資が貯蓄性重視の終身系商品をメインに構成している一方、日本企業は定期系をメインに月々の保険料を抑えて保証額を厚くする傾向にあるといえます。

また、ガン保険、医療保険などの開発は外資の方が早く、これに追随する形に日本企業が新商品を新しく用意するということが年々行われています。保険料に関していうと、外資の方がおおむね安価な傾向にありますが、これは、外資の商品は無配当であったり、日本企業の商品より予定利率が大きいために価格自体を安くできることが原因しています。どちらがいいと言えば一長一短ですが、それぞれの傾向を踏まえて、自分がどちらのパターンの保険を選ぶべきかで考えてみると良いでしょう。

募集人からか買うか、通販で手軽にかうか?

 保険の販売方法は多様化し、どの保険会社も様々な販売チャンネルを持つようになりました。旧来の保険のおばちゃんスタイルももちろん健在。また専属や乗り合い代理店による販売も増えてきています。

そして今、手軽で加入しやすいインターネットや電話による通販も伸びてきています。とりあえず安価でスタンダードなものを選びたいというなら通販もアリです。しかし商品構成が同じなら、実は募集人から契約しても価格は全く変わりません。

しかも特約の組み合わせなど、保険バリエーションはもちろん募集人との契約の方が幅広く対応してもらえます。ちょっとでも自分でカスタマイズしたいのなら、同じ生命保険会社でも募集人から契約する方がおすすめです。

生保キーワード辞典

【責任準備金】

 責任準備金とは保険会社が将来保険金などを支払うために保険料の中から積み立てるものをいいます。責任準備金は預貯金などとは違い契約者全員の共同の準備財産と考えられます。

※ 上記の保険契約者保護機構が生保会社破綻時に用意する責任準備金が90%ということは、破綻した保険会社の被保険者が死亡した場合、支払われる死亡保険金も90%ということになります。

【予定利率】

 保険会社は保険料の一部を将来の保険金支払いのために積み立てていますが、これを契約者の有利になるように運用します。保険料はこの運用によって生まれる利益を想定して一定の割合であらかじめ割り引かれています。このとき使用する利率が予定利率といいます。

 ※運用実績の大きい外資系の保険会社は概ねこの予定利率が大きく、日本企業は低金利などで運用益があまり出ていないため、利率が小さくなっています。この予定利率のため、近似の条件の保険の場合、外資の方が割安になる場合が多くなっています。