死亡保険金と月々の保険料だけで生命保険を決めていませんか?

日本の生命保険の世帯加入率は87.5%。普及率から言えば世界的に見ても相当高い数字です。病気で保険に入れない人や、保険がキライという人を除けばほとんどの家庭で世帯主など誰か1人は加入している計算です。 

 ところであなたは、現在加入中の保険についてどんな風に理解されていますか?

ごく一般的な生命保険の契約者に「あなたはどんな保険に入っていますか?」と質問すると「死亡保険金が3000万円、月々の保険料は1万5000円くらいかな」というような答えが割とすんなりと返ってきます。

続けてこちらが「それは定期保険ですか?何歳までの保障ですか?死亡時の保障は災害、疾病の両方とも3000万円ですか?」とたずねてみると、定期保険や終身保険といった保険の種類を把握している人はまだよくご存じの方で、多くの人の頭の上には「???」が浮かぶばかり。「その辺は保険屋さんに任せてあるから…」という答えが返ってくることが実に多いのが現状です。

 ではここでたとえ話。これをあなたが車を買った話として考えてみましょう。私が「どんな車を買ったのですか?」と質問したらあなたは「エンジンは3000cc、月々の支払いが1万5000円」と答えました。

当然私の頭には「???」が浮かぶばかり。あなたの買った車がセダンなのかミニバンなのか、仕事に使うのか、旅行やレジャーに使いたいのかもわからないのです。

逆にもしあなたがカーディーラーで、「実物はお見せできませんが排気量が3000ccの車です。月々のお支払いが1万5000円になります」と言われたらあなたはその車を買いますか?

「現物を見ないで車を買うなんて有り得ないだろう」そう答えられる方がほとんどだと思います。しかし多くの方が保険に関してはそれをやっていらっしゃる。

死亡保険金と月々の保険料。確かに保険に加入する際に一番気になるところではありますが、これは保険の機能から考えると、車のエンジンの排気量と月々のコストだけがわかっているようなものなのです。

 当然のことながら、エンジンの大きさだけがわかっていても、その車を有効に利用することはできません。保険も同じで死亡保険金額がわかっているだけでは、その保険をどのように使えるかは全くわからないのと同じ。

いざという時に家族を助けることができる死亡保険金ですが、どんな状況の時に支払われるかを理解していないと、保険会社にこちらの予想とは全く違う対応をとられてしまうことにもなりかねないのです。

 確かに保険の約款は複雑で、すべてを理解するには背景的な知識も必要になります。しかし自分にとってどんな保険が適していて、実際にどれくらいの費用が必要なのかは、ほんの少し時間をかけて情報を集めれば誰にでも簡単にわかることです。

またちょっと皮肉な言い方をすれば生命保険のシステムは「保険屋さんにお任せ」にしてもらうためにわざとわかりにくく作られているとも言えます。そしてあなたが保険で得をするか損をするかの分かれ目は、ほんの少し興味を持てば得られる必要な情報を知っているか知らないかにかかっているのです。 

 このコーナーでは、そんな誰にでも役立つ生命保険に関する知識を集めてわかりやすく解説することを目的としています。続く不況の中、あなたが月々支払っていらっしゃる保険料は、あなたにとって決して軽い負担ではないはずです。

それでも内容をしっかり把握し、納得して支払われているのならば、その保険をもっと生かすこともできるはず。保険料は必要経費。よくわからないのだけど右から左へ消えていくものだとあきらめてしまっているなら、それはある意味であなたは保険会社にとって一番ありがたいお客様です。

しかし、一歩進めてあなたが保険のシステムを理解して活用すれば、逆にあなたが保険会社を働かせて、あなたの資金を有効に活用することもできるのです。もしあなたが保険に注目してお金を有効に使いたい、あるいは増やしたいと考えるならこの記事は有用です。ぜひ最後までしっかりとご覧ください。