収入保障保とは?

 生活の変化や市場でのニーズを考えて、さまざまな保険が生保各社で開発されています。その中から注目されている保険商品をいくつかピックアップしてみましょう。

【収入保障保険】

 収入保障保険は定期保険の一種です。通常の定期保険が被保険者の死亡時に死亡保険金が一時金として一括で支払われるのに対し、収入保障保険は保険満了時まで年金として支払われるというところに違いがあります。

収入保障とはその名の通り、万一家族が働き手を失った場合、月々の収入を補う保険です。

保険事故から保険満了の期間年金として支払われるということは、保険金の総額は、保険期間が進むほど少なくなって行くことになります。しかし、遺族が必要とする生活資金もライフサイクルに応じて減少して行くことを考えれば、収入保障保険はとても理にかなった保険の使い方だともいえます。

収入保障保険が死亡保険の中で最も合理的な理由というサイトでは、掛捨ての定期保険と収入保障保険を30年間加入した場合の保険料比較をやっていますが、最高で2倍程度の開きになっています。収入保障保険がいかに合理的かわかると思います。

また、保険満了近くになって、被保険者が死亡した際、5年間、あるいは10年間といった形で、最低保証期間を設定していれば、満了期間を超えて年金を受け取ることも可能です。

そしてもちろん収入保障保険の保険料は通常の定期保険より安価になります。第一章で述べた、公的年金を活用し、本当に必要な月額の生活資金を割り出せば、収入保障保険を有効に活用することができます。

収入保証保険のシミュレーション

被保険者30歳男性 月額保険金15万円 60歳満期 確定保証期間5年

                        月額保険料4695円

 ちなみに、平準定期保険で30歳男性が60歳満期で保険を設定すると3000万円の死亡保険金で、月額保険料は1万590円と試算できました。死亡保険金額は比較が難しいですが、上記のシミュレーションで加入直後に被保険者が亡くなった場合、保険金の支払い総額は5400万円となります。

【生前給付型保険】

 死亡時に支払われるのが生命保険の基本ですが、生前給付型保険は特定の疾病や余命が残りわずかであると診断された際に生存している被保険者に支払われる保険です。重度疾病タイプと末期疾病タイプの2つのタイプがあります。

 重度疾病タイプは特定疾病保障保険とか、3大疾病保障保険といわれるもので、被保険者がガン・心筋梗塞・脳卒中になった場合、死亡保険金と同額の給付金が生存している被保険者に給付されます。

またこの保険は、被保険者本人にガンの告知が行われていなかったり、意識不明や寝たきりなどによって本人からの請求ができない場合を考慮して、被保険者の代理人としてあらかじめ指定された代理請求人が本人に代わって給付金を請求することができます。

 末期疾病タイプは疾病原因に関わらず、被保険者が余命わずかだと診断された際に生前給付が行われるもので、リビングニーズ特約という呼称で認知されています。被保険者が余命6ヶ月以内であると診断された場合、死亡保険金の全部または一部が被保険者に支払われます。また、このリビングニーズ特約の特約保険料は無料です。

【生保ひと言コラム】

「定期保険の掛け捨ては本当に損?」

 貯蓄性のある終身保険や養老保険に較べ、定期保険は満期が来ても保険金の給付は無く、解約返戻金もほとんどありませんので「掛け捨て」という不名誉なニックネームを付けられています。

しかし本当に定期保険は損でしょうか?

終身保険や養老保険は、保障機能に加えて保険会社の運用により貯蓄性を高めたもの。定期保険はそれに保障機能にだけ限定することで、保険料を安価に抑えることができます。

確かに保険期間を無事に過ごせたなら、手元にお金は残りませんが、もし不幸にも死亡したり、高度障害になってしまったら、一番安価な保険料で高い保険金が得られるのは定期保険なのです。もしもの時を考えて入る保険なら、やはり定期保険が最もシンプルな方法なのです。