今、養老保険に加入しても得とは限らない。

以前、バブルで日本の景気のいい時期に、すぐに使わない、まとまったお金をもっている人達がこぞって加入した「一時払い養老年金」という保険があります。

確かに、その頃は利回りがよかったので、貯蓄に優れた養老保険に加入した方が、銀行や郵便局の貯金より、「予測した満期金額」はよかったのです。

 ※商品によっては、満期時に掛け金の倍近くになる商品もありました。

しかし、近年の不景気で金融商品の利回りは、まったく期待できないものになってしまいました。

今の時代では予定利率(利率ではありません)が1.5%前後が大部分ですのでよほど長期で無い限り、それほど貯蓄に向いている保険ではなくなってしまいました。

仮に、保険外交員さんが「いい商品ですよ~」と言ってすすめてこられても、一括で高額を納めるのに躊躇してしまう人が多いのではないでしょうか?

例えば、満期1000万円の養老保険は、加入年齢や保険期間、性別などによって違いがありますが、1000万円受け取るには900万円程度保険料を払わなければなりません。

20年では、毎月約4万円以上となります。それで死亡時1000万円の保障、定期保険で補えば、毎月約1万円程度の場合もあります。

定期付養老保険にすると、生存給付金が受け取れたり、保険期間中に定期的一時金が受けと取れたりと、最近は、さまざまな商品があります。

あなたが、万が一を考えて加入する養老保険として考えるのであれば後者の保険となります。しかし、元本は保証されていません。ですから、将来的に、加入した保険会社が破綻(倒産)した場合には大抵生命保険契約者保護機構が引き継ぎ、予定利率をさらに落とされて身売りされる、 ということになってしまいます。

今の時点で、養老保険を、昔の様に、保険を貯蓄商品として考えるのは危険です。

本当に貯蓄を考えるのなら、貯蓄部分は、従来の国債5年ものか、個人向け国債の10年ものを買い、保険は保険として考えましょう。

たとえば、今、一時払い養老保険に加入しても、1年後に解約の場合、支払った保険料より、解約金の方が少ない場合もあります。やはり、将来を見据えて、加入時によく検討する事が大切です。

ただ、銀行や郵便局同様、大幅な利殖は期待できないものの、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われるというメリットは大きいと思います。

特約や他の保険などを組み合わせて、養老保険に加入するのも一案です。